質量分析の分野において、各社さまざまな装置を開発、販売していますが、要求される性能を全て満たす万能機は存在せず、利用者はサイズ、重量、価格、目的の観点から適した装置を選択し、一般的には専門の研究機関での利用に限られます。 しかしながら、食の安全性等、生活に密着した問題を解決するためには、性能を維持したままポータブル化を実現し、分析現場に装置を持ち込むことが不可欠であると考えています。
近年、IT技術の進歩に伴い、飛行時間型質量分析装置の性能が急速に向上しました。飛行時間型は、測定対象物をイオン化した後、電気的に一様の運動エネルギーを与え、検出器に到達するまでの質量差による速度の違いを正確に測定する方法で、特に分解能、質量範囲等が他の機器より優れています。しかしながら、高性能(高分解能)を得る場合、飛行距離を長くせざるを得ず、結果大型の装置となってしまいます。
大阪大学、および当社が開発したマルチターン飛行時間型質量分析装置は、閉ループ内での他周回軌道を実現することにより、小さな空間で長い飛行距離を得ることに成功しました。
現在製品化のための準備を進めており、2009年にはリリースの予定です。

質量分析装置比較表

種類
価格帯
サイズ
分解能
定量性
質量域
特徴
四重極型 ¥500~1000万
×
×
小型・定量性
磁場型 ¥2000~6000万
×
×
高分解能・定量性
イオントラップ型 ¥2000~4000万
×
小型・MS/MS可
FT-ICR型 ¥1億~3億
××
◎◎
×
超高分解能・高精度
イオンモビリティ型 ¥500~2000万
××
×
×
ポータブル
一般飛行時間型 ¥2000~8000万
×
高質量・高分解能
マルチターン型 ~¥1500万
小型・高分解能